投資信託のメリット
投資信託のメリットとして、規模の経済性やリスクなど、個人投資家にとってのメリットがあります。
スケールメリット
スケールメリットは「規模の経済性」といわれており、規模が大きくなることで得られるプラス効果のこと。投資信託の場合は、資金額に対するスケールメリットを指します。
投資信託では、個人個人の出資額は基本的にそこまで多額ではありませんが、多くの個人からの資金をひとつに寄せ集めることで、かなりまとまった金額にすることができます。
そうすると、個人の小口資金では投資できないような短期金融商品やデリバティブ(金融派生商品)、大型不動産などに対する大口投資ができるようになります。
これは、個人では得る事が出来ないメリットであり、投資信託以外ではなかなか得ることができません。
分散投資でリスク軽減
投資信託は、株式や債券などのパッケージ商品です。必ず複数の銘柄に分散することが前提になっています。
一般的に、資金力に乏しい個人投資家としては、分散投資は難しいですが、投資信託に投資すれば、それだけで必然的に分散投資したことになります。
分散投資によって、どれかひとつの銘柄で損失が出ても、そのほかの銘柄で出た利益で損失をカバーすることが可能です。
したがって、分散投資が出来れば、そのぶんリスクの軽減につながるということになります。
投資のプロによる運用
よほどの投資経験を持っている人でない限り、個人の力では情報収集や投資判断には限界があります。
しかし、投資信託なら、その運用会社に所属する専門家(ファンドマネージャー)に自分の資金を運用してもらえます。
なので、個人にとってまったく馴染みのない商品にも投資することが可能です。
とくにデリバティブなどの金融商品では、高度な運用知識や豊富な情報源が必要になるので、投資信託においてファンドマネージャーを有効活用できるメリットは非常に大きいといえます。
小額からでも始められる
投資信託は、取扱金融機関によっては毎月100円からの積み立てでも運用を始める事が出来ます。
少額積み立ての場合、開始当初はそれほど大きな金額にはなりませんが、それでも利回りは普通の銀行預金よりははるかに高いのが一般的なので、10年や20年と長期的に積み立てていけば、やがて積立額の倍以上になる事も充分に考えられます。
投資信託のデメリット
投資信託には、前述のような数々のメリットが期待できますが、やはり相応にデメリットもあるので注意が必要です。
元本保証なし
デメリットの中で最大のものは、元本が保証されないということです。
せっかく10年、20年と長期にわたって積み立ててきたのに、いざ受け取る段階になると、受取金額が思ってた以上に少ないというケースもあり得ます。
つみたてNISAでは、金融庁によって比較的安全性の高い投資信託が厳選されるので、その可能性は高くはありませんが、このようなリスクもある事を知っておいた方がよいでしょう。
投資家自身の権限がない
投資信託では、投資家自身ではなく、資産運用会社が運用します。
このため、投資判断や具体的な運用は、資産運用会社に任せるほかありません。
資産運用会社による運用で万が一損失が出たとしても、その責任を運用会社に求めることはできません。