暗号資産と従来の電子決済システムとの違いは、管理者不在でシステムが成立しているところにあります。
それは一体どのような仕組みで成り立っているのでしょうか。
管理者不在の決済システム
従来の電子決済システムに比べ、暗号資産が画期的なのは、管理者不在でシステムが成立しているところです。
従来の電子決済システムは、取引を行う人の間に必ず管理者が存在し、システムの運営・管理や取引の証明をしていました。
たとえば、銀行振込であれば銀行、クレジットカードであれば信販会社、電子マネーやポイントシステムであればその運営企業といった形です。
そのため取引を行うユーザーは管理者に手数料を支払って決済の承認などのサービスの提供を受けていましたが、暗号資産はこの様な管理者が存在せずとも機能する、世界初の電子決済システムなのです。
暗号資産を構成する人
暗号資産のシステムを構成しているのは。お金のやり取りをするユーザーとシステムを処理する参加者に区別できます。
ユーザーは電子決済システムとして暗号資産を利用し、それらユーザーの間での取引はリクエストを受けた参加者によって承認されることになります。
そしてユーザーは、参加者に対して手数料を支払い、決済手続きが完了するという流れです。
ちなみに、取引を承認する事をマイニングといい、その参加者をマイナーといいます。
大勢の参加者を機能させる仕組み
管理者のいないシステムにおいて、大勢の参加者が規律を守って機能する為に、暗号資産のシステムには一定のルールがあります。
1つ目のルールは、ユーザーの取引記録を公開している事です。
暗号資産のシステムでは取引記録は全て公開されているため、仮に一部の参加者が不正な操作を行ったとしても、どのように不正が行われ、暗号資産がどこに行ったのかをスグに確認できます。
2つ目のルールは、善良な参加者には報酬を与える事です。
1つ目のルールに加え、暗号システムでは、正しい処理をした参加者に報酬を与える事により、不正を行うより正常にシステムを稼働させる方が得だという心理が働き、参加者の不正防止効果を生んでいます。